1: 名無しのアニゲーさん 2024/02/25(日) 23:46:37.50 ID:xMy6IzJH0
エピソードを個別に見れば今作の面白さに揺らぎはない。
ゲームの大部分を占める中心的な物語においては問題は見られない
が、次の場面へと導く展開においてリバースは繰り返し躓いている。
エンディングが終わりクレジットが流れているとき、私は自分が苛立っていることに気付いた。
全体としては良かったと言えるのだが、今後のことを考えるとあまり熱意が湧いてこない。むしろ心配になってしまうのだ。
過去を尊重しながら未来を模索するFF7の見通し自体は楽観的になれる。
しかしリメイクの最後で見せた場面が物語を無駄に複雑化させてもいた。
そして悲しいことにリバースでも同じ問題が起きているのである。
それを考慮すると今なにが起きていて、これから彼らは何を起こすのだろう、という部分で私は困惑してしまう。
原作の世界を拡張するという前作の挑戦は成功した。二作目でも、その方針を継続させたのは正しい判断だ。
だが中心に来るはずの物語がさらに悪化し、鍵となる登場人物の見せ方も間違えていた。
スクウェア・エニックスがこのシリーズで何を目指そうとしているのかは理解できるし、それ自体は興味深いものだが
野心を具現化する段階において、このゲームはあまりにも貧弱な方法に頼っており
その内容は多くの者が理解不能と判断するように思えてならない。
何年もの間、リバースは「あれをやるのか、やらないのか」という憶測の対象になってきていた。
しかし今作が示した方法は私の理解を超えており、完全に混乱してしまった。
オリジナル版ではゲーマーの感情にささり、何百万人もの心を揺さぶり、それまでのゲームのキャラクターに対する印象を根底から覆したと言っていい。
だがリバースは複数の登場人物を当惑させゲーマーも戸惑わせるだけだ。
彼らが何者であるのかという定義を曖昧にし
その決断を弱め、動機も不明なら何が起こっているのかもよく分からない。
特にエアリスは乱暴な構成によって非常に重要な瞬間を奪われていた。
そのメッセージは以前には存在しなかった物語の雑音によって埋もれてしまっている。
キャラクターを演出する事ばかりに気を取られ、このゲームらしくない場面が目立っていた。
さらに言えば、物語の方向性や各人物の取った行動が
それまでの要所で私が選択した回答と矛盾する時もあった。
もちろん、ここには解釈の余地があり、私とは異なる視点から整合性を見つける者もいるのかもしれないが
意味を理解するために必死に物語を解きほぐすというのは、この旅でやりたかったことでも求められていた事でもないはずだ。
私はこの物語の全てが気に入らない。
登場人物はどれもゲーム史上もっとも強い印象を与えているが、核となる物語は不定形の塊のようなものだ。
平たく言えば何も起こらないまま進んでいくのである。
ただ物言わぬ変人を追って世界をさまよっているだけだ。
世界の運命と緊急事態が示唆されながらビーチでくつろぐというのも合っていない。
これは多くのオープンワールドゲームの抱えている問題だが、ファイナルファンタジー7リバースにおいてそれは特に顕著である。
(中略)
この物語に対する最大の不満について私は「スターウォーズ症候群」と名付けたい。
これは単純な不満だ。第1作目から遠く離れた場所にいるのに、過去に出会った人物と奇妙なまでに再会する。
それこそウォールマーケットのジム仲間に至るまで。
その繰り返しが、銀河系全体を舞台にしたフォースの戦いが実際には10人ぐらいで行われてしまうのと同じように
ゲームの世界を酷く狭苦しいものにしてしまっている。
リバースは本来、物語をさらに先へ進めることが求められながら
人々を喜ばせようとする事に熱心になりすぎるあまり、複数のプレートを動かし過ぎていた。
原作を忠実に再現しながら、同時に大幅に増加させた番外編も充実させ、
さらに何らかの新たな試み、いわゆるメタ的なものを盛り込もうという壮大な計画。
ゲームの大部分をオリジナル版と同じ展開にしながら、
幾つかの追加要素と新たな視点からの切り口を与えることで
それを実現させたかったのだろうが、これもリメイクほどうまくは作用していない。
新たな道を作るよりも、どこの道を選ぶか一つに決断する方が適切だったように思う
https://www.gamespot.com/reviews/final-fantasy-7-rebirth-review-destinys-child/1900-6418187/