映画評論家「ルックバックは駄作。リアリティもないし批評性もない」

実写・ドラマ・劇場版
1: 名無しのアニゲーさん 2024/07/28(日) 19:57:36.692 ID:.TG6wm3FE
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流刑囚の映画百物語~番外編『ルックバック』(’24日)

https://note.com/banishment/n/n1d985a345aa4?sub_rt=share_pb&s=09

本作の5点満点評価は…

コンセプト…1点
カメラワーク…3点
ビジュアル…2点
脚本…1点
総合評価…1.8点


感動の話題作、待望のアニメ映画化――。といったところだろうか。いや、この作品を見て感動できる人は皮肉ではなくすごいと思う。

全体的な話。なんというか「密着!!ラーメン店開業ドキュメント」というタイトルでそのラーメン屋店主自らが監督した映像を見せられているような、そんな感じ。「女将さん、思わず涙…」みたいな場面でそのカメラを回しているのが店主自身だったらちょっとぞわっ…とするものがないだろうか?この作品はそこまで露骨ではないにせよそれに近いものがある。

ああ、もっとわかりやすく例えるならば「本人が編集したWikipedia記事」だろうか。いずれにせよ漫画家である原作者のアイデンティティからくるナルシシズムがそこはかとなく溢れていて気持ち悪いのだ。エンドロールで監督名が静止するのも同じような自己愛の表れだろう。駄作にありがちなパターンでもある。

映像化以前に原作の問題なのだろう、終始一貫して被写体(モチーフ)の掘り下げ、解像度が低すぎる。舞台は雪国でもある東北山形。そこで果たして卒業式シーズン(3月上旬)あたりに雨が降るだろうか。雨が降ったとしてあんな風にルンルンとはしゃぎ回れるだろうか。雪国舞台にしては冬の服装が薄着過ぎて極めて不自然。

また劇中の時代設定はいつ頃なのだろうか。宮崎勤事件後を思わせる「オタク差別」的なセリフが登場し学校のストーブもやたら古めかしいので90年代前半あたりなのかとも思ったがそれにしては主人公がテキストサイトを見て奮起する描写があったりしてやはりチグハグさが否めない。

特に「オタク差別」の描写に関して言えば、恐らくオタク系観客の被害者意識を擽る目的で挿入されたのだろうが、そんなものは30年前ならともかくそれ以降の時代にはほぼ存在しない。
現在30代半ばの筆者の小中 学生時代にも絵や漫画の上手い子供はいたものだが(筆者自身もそんな一人で劇中の主人公と同じく4コマ漫画を描いたりもしていた)、「漫画を描いている」という理由で「オタク差別」に遭ったことなど一度もないし他の人がそうした扱いを受けている場面も一度たりとも見たことがない。そんなものはどこまでもバーチャルな「捏造された記憶」でしかないのだ。

作品のキーとなる事件の描写にしても現実に起きた京アニ放火事件をモデルにしているのだろう、「作品をパクられた云々」というセリフがあったりするのだがその一方で犯人が「見下しやがって」とセリフを発する場面もある。
これなんかは単純に「?」としか言いようがないのだ。現実の取材だけでなく登場人物の心理面の掘り下げも圧倒的に足りない。
要はそれっぽい「犯人らしさ」「ヤバイ奴っぽさ」という記号性があればよく、その内面に関してはほとんど考えられていないのだ。また主人公が亡き親友の部屋を前にして「私が漫画に誘わなければ…」と泣くシーンも浅薄すぎて馬鹿馬鹿しいとすら思ってしまった。

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